【完】こちら王宮学園ロイヤル部



「椛の兄妹とルノとルアが仲良いのはなんとなく知ってたけど……

夕陽もいるし、いくみさんもふくめて、みんな兄弟ぐるみで仲良いのね」



「呉と夕陽が、同じ学校だしな。

椛はルノとルアの先輩っつーのもあって、基本的には兄弟通して全員顔見知りなんだよ」



「……莉央は兄弟いないの?」



「おー。俺は一人っ子」



そう言った莉央が、さっきまでルノの抱いていた瑠璃を抱きあげれば、瑠璃がえへへと頰を綻ばせる。

……瑠璃はなついた相手に対してめちゃくちゃかわいいんだよな。



「りおちゃん。たかいたかいしてー」



こんなに小さい時から美形な男に囲まれて育ったら、将来彼氏作るの大変そうだな瑠璃は。

父親に加えて、椛、呉羽、翡翠、っていう3重の壁が待ってるわけだし。




「南々瀬ちゃん、もしかして子ども好き?」



「え、あ、バレました?」



「うん、めちゃくちゃ頰緩んでるわよ」



瑠璃のこと抱かせてもらったら?と言えば、その会話を聞いていた莉央が高い位置に上げていた瑠璃をゆっくりと一度床に下ろす。

「抱っこしてくれるってよ」と莉央の言葉で、瑠璃がじっと南々瀬ちゃんのことを見つめた。



「瑠璃、お姉ちゃんに抱っこしてもらいな〜」



「うん、」



南々瀬ちゃんが軽くかがんで、瑠璃を抱き上げる。

人見知りだけど短時間で南々瀬ちゃんに慣れたようで、落ち着いた様子で彼女の腕に抱かれていた。……南々瀬ちゃん、嬉しそうね。



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