【完】こちら王宮学園ロイヤル部



【おまけ】



「おはようございます、南々先輩。

ルアも。……あれ、椛先輩早くないですか?」



「ルアがフレンチトースト食べたいって昨日連絡してきたんだよ~。

今日は家に親いるし、俺もこっちで食おうと思って朝飯抜いてきた~。るーちゃんもいる?」



「いえ、俺は家で食べてきたので。

……というか、南々先輩」



「……ん?」



紅茶をパントリーの中から探っていたら、歩み寄ってきたルノが不思議そうに首を傾げる。

なにその表情……?と、逆にわたしも同じ表情を返していたら。



「首筋……

それ、キスマーク、ですよね?」



え!?と。

指先の向けられた場所を、とっさに覆い隠す。




「おいおいまじで~?

さっきまで上着着てたから気づかなかったじゃねえの。……へえ。キスマーク、ねえ」



「ルアですか?

……って、聞くまでもないですよね」



ちょっと待っていつの間にそんなもの……!

朝お風呂入ったのに気づかなかった……!!



鏡で慌てて確認すれば、首筋に確かにつけられているそれ。

痕自体は薄いしこの位置だと下を見てもちょうど見えないから、綺麗に視線から逃れていたらしい。



「ねえルア……! って、あれ?

ちょっと待って、逃げられた……!!」



いない……!!とさっきまでルアが座っていた位置を見て打ちひしがれるわたしに、楽しげに笑うのは椛とルノで。

その表情に、頭の中で警鐘が鳴り響くけれど。



逃げたルアが、フレンチトーストの完成までに戻ってくることはなく。

結果としてふたりに尋問される羽目になり。わたしが彼の雰囲気が詐欺であることに確信を持ったのは、もはや言うまでもない。



< 600 / 655 >

この作品をシェア

pagetop