【完】こちら王宮学園ロイヤル部



「んじゃあ、俺も椛も3年連続役員だな」



「そうね。ついでに、席替えしましょうか」



「いつみの席にお前だろ?

んで……いまのお前の席に椛で。俺とルノが隣、ルアと1年の会計補佐がその正面にすればいいか」



「うん。書記だけひとりになっちゃうけど」



去年は一応席がありつつも、みんな好き勝手座ってたから、あくまでなんとなくの席。

……ああでも、いつみ先輩の席にほかの誰かが座ってるのって見たことないな。



もともといつみ先輩は朝早くから遅くまでこの部屋にいることが多かったみたいだし。

何より、「座っていい」と言われてもなんとなく遠慮する。



たぶん夕帆先輩なら迷わず座るだろうけど、

普段のふたりのやり取りを見る限り、いつみ先輩が夕帆先輩に「いい」と言うことはまず無い。




「……つーか、それより問題は1年だろ。

名前と成績しか載ってねーリストで新役員選べって言われても無理じゃね?」



ぺらぺらと、2年と3年のリストの後ろに回されている1年のリストを見やる彼。

彼の言う通りで、大体生徒会役員は知り合いから知り合いを通して構成されていく。あとは稀にいるらしい、どうしても入りたいって子。



わたしの場合、後者だととても助かるのだけれど。



「もう決まってるわよ」



「マジかよ」



「うん、呉羽くんと夕陽」



知り合いと呼べる存在がほとんどいないので、必然的にこうなる。

ふたりともリストの中に名前あったし。あと、中学のときの後輩の名前もあったけど、知っているのが名前程度の子だったから遠慮した。



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