どんとこい背後霊
『左手で、こう持って、右手は軽く添えよ』

ふんふん

『木刀の切っ先は、相手の喉元に…』

ふんふん

『右足を半歩前へ』

うんうん

『足は常に、摺り足で…』

だあああっ!うるさいなあ、もう!

『うむ、それでは、振りかぶって…
素振りっ!まずは軽く、千回!』

ひえええ!

スパルタだな、このオバケ…

へっぴり腰でふうふう言いながら、重い木刀を振り続ける

すでに、汗びっしょり…

「おお、姉ちゃん、がんばっとうな!」

「ほんま、お嬢ちゃん、勇ましいなあ」

「ぎゃははははっ!」

操り人形か、マリオネットのように、ぎこちなく素振りを続ける私の横を、早朝散歩の老人たちが、冷やかしながら通りすぎる
< 152 / 272 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop