promise

涙の残る瞳で優羽を見つめるわたしの手を取り、



「何言ってるの。俺はいつだって真面目だよ」



こう言って体を軽く抱き寄せてしまう。



……どこが真面目よ。



腕の中から恨めしげに見上げた優羽は、


「だって泣いてる光来も可愛いから」



笑顔で囁き抱き締めてくる。


そんな優羽に心がじわっと濁ってしまう。




優羽は今まで……何人の女の子にこうして触れてきたの?



吐き出してしまいそうな嫉妬を感じながら、それ以上に優羽の腕の中が心地良くて。



この腕を振り払えない自分がなんだかひどくマヌケな気がした……。




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