シンデレラの魔法は解けない
せめてもの抵抗で、ファッション誌に見入る。
平さんのセンスの良さはマネ出来ないが、彼女として恥ずかしくない存在になりたい。
あたしも、自信を持って平さんの隣を歩けるようになりたいんだ。
必死にファッション誌を見るあたしは……
ふと、何者かの視線を感じた。
それは店外の自転車置場の辺りから、放たれている。
顔を上げて自転車置場を見るが、そこには誰もいなくて。
気のせいかと思い、再び雑誌を見る。