シンデレラの魔法は解けない




「ねぇ、藍ちゃん?」




低くて心地よいその声に、少しずつ落ち着きを取り戻していくあたし。

そんなあたしを、平さんはじっと見る。

お洒落な髪型に、綺麗な顔。

それにドキンとするとともに、愛しさすら感じる。





平さんは真剣な瞳であたしを見たまま、静かに告げる。




「藍ちゃん、ずっと俺と一緒にいてね。

歳をとっても、ずっと」




胸がきゅんと甘い音を立てる。

どうしよう。

こんな時なのに、胸の高鳴りが止まらない。

幸せだと思ってしまう。




「あたしも、平さんと一緒にいたいです」





平さんはいつもの優しい笑顔であたしを見る。

その瞳で見られるだけで、胸が甘く激しく音を立てる。

平さんに愛されて、すごく幸せだ。

女の子で良かったなぁと思った。


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