シンデレラの魔法は解けない
エレベーターは最上階に着き、平さんはドアを開いてあたしを先におろしてくれる。
そんなさりげないスマートな行いもいちいちあたしの胸を刺激する。
平さんはあたしを、お姫様のように扱ってくれる。
あたしはそんな、王子様が大好きだ。
「藍ちゃん、ここのフレンチ、すごく美味しいんだって」
平さんはあたしの肩にそっと手を回し、エスコートする。
平さんが触れるだけで身体が熱くなり、にやけてしまうのだった。