竜王華伝 2nd
よし。っとアイロンとクシを手に取り
その時を思い出しながら 髪型もそれにする。
メイクもそのときのまま。
学校に行って ちょっとずつ話すようになったけど やっぱり壁はあるわけで。
『待ってるから!待ってる、よ』
そう言ってくれてから。
半端な気持ちで関わるのはダメだって、
もう迷わないって決めたから。
あの時の同じ気持ちになったら…。
「いってきます」
ドアをあけると 竜二がピンポンを鳴らす手前だった。
「あ、桃。おはよう。」
「おはよっ!竜二!」
「じゃ、行くか。」
そっと差し出してくる手が
当たり前になってきて嬉しかった。
その手を握って 二人で歩き出す。

