インタビューはくちづけの後で
ふと、ある名前を思い出す。
「…みっくん?」

「やっと思い出したな。芽衣。」と微笑んで私を深く抱きしめ、そっと短いキスをした。

「い、今キスしましたね。」と私が怒った声を出すと、

「思い出したご褒美。」とくすんと笑って嬉しそうにしっかり私を抱きしめている。



児童館で遊んでもらったお兄ちゃん。


その不機嫌な顔が今の副社長に重なった。

そっか。

みっくん、久しぶり。



まあ、いいか。

軽いキスなら許しておこう。

アメリカじゃ挨拶のたぐいなんでしょう。


もう、今日は抵抗する気力は無いよ。

すごーく疲れた。
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