あなたは誰にバツを与えたいですか?
 わたしはそのコードが描かれた紙をじっと見る。
 復讐サイトというのは、誰かに復讐を依頼するということなのだろうか。
 だが、犯罪ではないといった意味も分からなかった。

 迷った末、スマホでその画面を読み込んでみることにした。
 サイトが罠の可能性もあるが、どうせもうわたしが失うものは何もないのだ。


 わたしはそのサイトにアクセスをして、どくんと心臓がなった。

 あなたは誰にバツを与えたいですか?

 その文字が目に飛び込んできたからだ。

 誰に。わたしはバツを与えたいのは、クラスの全員。
 そう思ったとき、画面がふっと変わった。


「どんなバツを与えたいですか?」という文字とともにクラスメイトの全写真と文章が表示された。

 まるでわたしの心に反応したかのようだ。

 そして、選択肢がいくつか表示される。



全員が軽い怪我をする。

必要寿命 一日。


全員が大怪我をする。

必要寿命 一年。



全員を殺す。

必要寿命 五十年以上。


全てに目を通したとき、心臓が再び大きくはねた。
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