十五の行方
「ねえねえ、ここどうやるの?」

「いや、だから何で全部一と五にするんだよ……」


彼女は本当に十五が好きで。


「あああああああ」

「扇風機一人占めしないで! 暑い!」

「あ〜〜〜〜〜〜」

「ねえってば!」


扇風機の奪い合いをして。


「解くの遅かった方がアイス奢りね」

「あざーっす、ごちそうさまでーす」

「ひどい!」


アイスを半分こして。


「暑いー」

「暑いー」


青空を仰ぎながら。


次の日も、その次の日も、二人きりの補講は、そんなふうに過ぎていった。
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