不埒な専務はおねだーりん

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「か~ず~さ~」

篤典さんはニコニコと微笑むと、デスクの上の書類の束をポンポンと叩いた。

「え?もう終わったんですか?」

明日の会議の資料を持ってきた私はつい驚いてしまった。

(本当に有能なんだなあ……)

想いを通わせてからというもの、おねだりがなくても仕事を張り切って終わらせてくれるようになったので、助かると言えば助かるのだが。

(何だか変な感じ……)

デスクの上の書類を回収しよう手を伸ばすと、その上に篤典さんの手が重ねられ制止させられる。

「褒めてくれないのかい?」

……仕事をするのが普通なのに褒めて欲しいとは何事か。

でも、ご褒美を待てない犬のように目に見えない尻尾を振る篤典さんが、可愛くて仕方ないって!!思っている私も大概である。

「さすがですね。専務」

「……それだけ?」

お望み通り褒めてさしあげたのに篤典さんはまだ不満そうで、手をおさめてくれない。

指と指の間をすりすりと撫でてくるのは、おねだりを聞いてもらえると期待しているから?

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