イジワルで優しい彼と再会したら
公園まで、もうすぐ。

(先輩、本当にいるのかな)

ゆっくり歩こうとすればするほど、落ち着かない。

木に囲まれた公園の横まで来ると、真琴は深く息を吸った。

落ち着かない気持ちを抑えながら、公園の中に入る。
(まだ早かったかな)

公園の隅のベンチに座り、目を閉じる。

(朝の公園って、気持ちいい)

目を閉じていると、木々が揺れる音と鳥のさえずりしか聞こえない。
静かさが心地よく、真琴はそのままうとうとしてしまった。

気配を感じて目をさますと、横から白い手が伸びてきて、真琴の肩に触れた。
「ひゃぁ!」

「あ、ごめん、起きないなーと思って」

目を開けたとたん、隆一の顔があまりにも近くにあったので、ヘンな声が出た。

「眠かったら寝てていいですよ」

真琴から離れると、隆一はかついでいる大きなリュックを下ろし、
右手に持っていた固そうなケースを開ける。

中から出てきたのは、トランペットだった。
木の間からこぼれて来る光が、トランペットに当たってキラキラと光る。

部品を確かめながら準備をすると、隆一は、マウスピースを口に当てた。

「ウゥゥゥゥー」という、人の声のような音が出た。

隆一の唇が一文字に結ばれ、そこで空気が震えているのが分かる。

ひととおり感触を確かめ終わったのか、隆一はトランペットを抱え、マウスピースをはめる。
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