超短編 『ヒーロー』 1
未来から来たヒーロー
俺がひとりで山登りに行った時のこと。

ベースキャンプの場所を決めて、テントを張った。
辺りはもう薄暗くなっていた。


その時、空から流れ星が落ちてくることに気が付いた。



流れ星に願い事を三回告げると、叶う。

そう子供の頃教わっていたので、願い事を三回続けた。


「ヒーローになりたい、ヒーローになりたい、ヒーローになりたい」


すると、流れ星が方向を変えて、俺の方へ向かってきた。

次第に大きくなり、すぐ近くに落ちた。



ドーン。

大きな音と地響きが伝わってきた。


俺は夢中でその落ちた方へ走って行った。


そこには、流れ星ならぬ宇宙船が墜落していた。


様子をうかがっていると、入口らしきものが開き、中から宇宙人が出てきた。


「=*@$&%#=・・・」

何かを言っているが、俺は宇宙の言語を知らない。


「ここは、日本だから日本語で話せ」

俺は思わずつぶやいた。


「・・・。すみません。今自動翻訳機に切り替えました」


おっと、日本語が話せるのか。

さすが宇宙船を作れる宇宙人だけのことはある。

俺は変な関心をした。


「あなたのテレパシーが、届きました」

「テレパシー?」


「そうです。あなた、ヒーローになりたいとテレパシーをくれました」

「テレパシーというか、願い事を言っただけなんだけれどな」


「私たち、スターダスト星人はその願い事を叶えます」


えっ、マジで?
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