俺様社長の重大な秘密
男性社員が手を振り上げた。

幸は恐怖で目を思いっきりぎゅっとつぶった。

ガシッ!!!

…バシッ!じゃなくて…ガシッ???

幸は恐る恐る目を開けると、男性社員が幸の二の腕をぎゅっと掴んでいるではないか。

幸は何事かと、相手を見る。

「…これだ」
「…はい?」

キョトンとする幸の顔を相手がキッと睨んだ。

もちろん幸は萎縮する。

「…お前見たことない顔だな、名前は?」
「…ぇぁ、丸岡幸、ですけど」

「…今の行為が悪かったと思うなら、終業後、直ちに社長室に来い、いいな」
「…え?あ!ちょっと!」

…な、なんで、社長室に?!

てか、あれは一体誰なの?!

幸は自問自答してみたが、知る筈もなく。

いなくなった人をいつまでも見ていても仕方ないと考えて、立ち上がると、再び段ボールを抱えて、資料室に運ぶと、オフィスに戻った。

「…ぁ」
「…どうしたの、丸岡さん?」

先輩が見ている雑誌に、載っていた。

さっきの男が。

「…先輩、こ、この人ってもしかし、て」
「…ん?うちの、東沢物産株式会社の代表取締役社長…東沢楓よ、知らないとは言わせないわよ?」

「…ですよね」

…と、言いながら、知らなかった人が1名。

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