溺愛されて困ってます。


そう言いながらも、カバンからケータイを出して開いてみる。


「はぁ…」


やっぱり、彼氏からの連絡はなかった。


「昨日振られたっていう、彼氏か?」


「やっぱり、連絡は無かったです…」


「泣きたい時は泣け…。」


社長のその言葉で、私はまた涙が出てくる。



「お前を振るようなやつなんか、放っておけ。
俺にしろよ…」


「ふぇ…え…?」


「だから、俺にしとけよ…」


今、社長なんて言った?


ビックリしすぎて、涙は引っ込んだ。



「まあ、考えとけよ。」


私は訳が分からなくなって、社長の部屋から逃げるように、家に帰った。




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