キミが可愛いわけがない


「バカなの?」


「……っ、」


私は肩に添えられた有馬の手をどけてから、彼を睨みつける。



「同じ人間として好きってこと。男として?なにそれ」



本当バカ。


「全然恋愛感情はないんだ?」


「そんなもんないよ。あ、もちろんあんたにもね」



私はそう吐いて、そのまま有馬の横を通りすぎた。


そんな感情を持てば、またあの頃と同じ思いをしてしまうかもしれない。


男の子と関わったってろくなことない。



どうして有馬はわざわざ私を怒られせることばかり────。



「そんなまじになってキレられるとさ」



有馬の声がして、思わず足を止めてしまう。



「逆に意識してんのかなって思っちゃうな、俺、バカだから」



「……っ?!」



振り返った有馬がどんどん近づいて距離を縮めてくる。


何故だか足が動かなくて、またさっきのような至近距離になってしまった。



「何言われても、今の俺は柚希のこと諦められないから、あんまり俺の気持ち舐めないでね」


……っ!!


有馬はそう言って笑うと、私の頭に手をポンと置いてから、自分のグループの席に戻って行った。



っ………!!なんなよ!!


ちょっと私のこと見下してるみたいな感じが


ほんっとムカつく!!!




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