キミが可愛いわけがない


「でも芽郁には悪いけど、私は女友達欲しいからさ」



胸がキュッと苦しくなる。

でも思ったことをちゃんとはっきり言えるのはユズのいいところだし、ユズらしくて好きだ。



「わかってる。だからできるだけ邪魔はしないよ」


小さい頃、男の子ばかりと遊んでいたユズは、中学に上がったとたん女子からハブられるようになった。


男勝りだとか、男好きだとか言われて。



「ごめんね、芽郁。だけど、これだけは忘れないで欲しい。私、あの頃芽郁がずっと私といてくれたこと、すごく感謝してるよ」



あの時、1人ぼっちになってしまったユズの隣でユズを支えたのは、誰でもなく幼なじみの俺だった。



「俺はただユズしか友達がいなかったし、ユズといたかったからいただけ」



「うん」


そう返事をするユズの顔はまだちょっと暗い。



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