蜜月なカノジョ(番外編追加)
「…ぜぇはぁぜぁはぁ…。まだ起きたばっかりなのに疲労困憊なんだけど…」
ダッシュを何本もやった後のようにぐったりした体に鞭打って何とか立ち上がる。
っていうか…恋人、になったってことは…これからどうなるの?
元々ナオさんは女の人と関わるのが嫌で女装するようになったって言ってた。
それで私と付き合うことにしたってことは…女装は卒業?
それともそれとこれは別?
いずれにせよ私と一緒にいるときにはもうナオさんじゃなくなるってこと…?
いや、男と女なんだしそれが当たり前なんだけど。
…でも大丈夫かな。
いくらナオさんを男性としても好きだと自覚したとはいえ、いきなり日々の生活が直斗さんと一緒のものにガラッと変わってしまうだなんて。
その変化に私はついていけるのだろうか…?
「杏ー、起きたー? 入るわよ~?」
「はっ、はいっ?!」
噂をすれば何とやら。頭を埋め尽くしていた人物のいきなりの登場に心臓が縮みあがりそうになる。
ま、待って、まだ昨日の今日で心の準備がっ…!