蜜月なカノジョ(番外編追加)

「むっふふふ~、なるほどなるほど、そういうことね~」
「なっ、何がですか?! 何も言ってませんけど!」
「いいのいいの、わかってるって。今度二人で旅行でも行くんでしょ?」
「えぇっ??!!!」

仰け反って驚いた私に「あ、当たった」と葵さんが呟いた。
は、嵌められたっ!

「そ、そんなにバレバレですかね…?」
「んー? っていうかちょっと前まで二人とも死にそうな顔してたでしょ? なのにある日を境にこの世は天国と言わんばかりに羽が生えたみたいに軽い足取りになってるんだもん。何かよっぽど嬉しいことがあったんだろうなって気付かない方がどうかと思うけど」
「うぅっ…!」
「ナオなんかまーわかりやすいわかりやすい。ほんっと、叩いてやりたいくらいぐじぐじしてたんだから。あいつ、杏ちゃんのことになると振り幅がハンパないわよね」

いつも一緒にいるからよくわからないけど…そんなに?

「手帳を見てはニヤニヤしてるんだもん。あー、こりゃそのうちいいことがあるのね~って嫌でも気付くっての」
「う゛っ…す、すみません…」
「あははっ! なんで杏ちゃんが謝るのー。こんなこと言ってるけど私も嬉しいのよ? 二人の幸せそうな顔見てたらこっちまでお裾分けもらってるみたいで」
「葵さん…」
「どこに行くかは知らないけど。お土産は食べ物でお願いね」
「えっ? ふふっ、わかりました!」

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