蜜月なカノジョ(番外編追加)

と、さっきまでとはまるで違う微笑みを浮かべたナオさんがそこにはいて。
この表情を見せるときは決まって…

そこまで考えてぶるっと武者震いした。

それを知ってか知らずかナオさんのご機嫌メーターは上昇を続ける。

「入籍はきちんと杏のご両親に挨拶を済ませてからにするとして。夫婦として愛を深めることは今すぐにでもできるよな?」
「…えっ?」

夫婦として、愛を深める…?

どう意味を捉えていいのか首を傾げた私に、ナオさんはにこーーーーっと笑みを深めると、左手に指を絡ませてしかと握りしめた。

「詳しいことは言葉じゃなくて行動で示してあげるから。まずは帰ろっか」
「え…えっ? ナオさんっ?!」
「大丈夫。怖いことは何もしないよ。…天国に連れて行ってあげるだけだから」
「_____っ」

舐めるように囁かれた艶っぽい声に、無条件に体が粟立つ。



「 愛してるよ、杏 」



きっと私はこうしてナオさんに恋をし続けていくのだろう。



しわしわのお婆ちゃんになってもずっと、永遠に_____



【Fin】

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