春色のletter
「想像の幼稚園だったんだ…」
「うん」
沙也さんが、微かに笑った。
「そっか、あの娘、頭の中で幼稚園に行ってたんだ」
沙也さんは笑ってはいるけど、心の涙が見えた気がした。
「美沙ちゃん、これからは行けるんですよね?」
沙也さんはまたハッとしたようにこっちを見た。
「…うん。そうだよ。うん!」
急に手を握られた。
「良かったですね」
「うん」
そして、彼女は流した涙を見られないように、下を向きながら、私の肩に寄りかかった。
私は握られた手に、そっと右手を重ねた。