三次元に、恋をした。
「フッ、またね、か…… うん。また会社でね。
ちゃんとお風呂入って寝るんだよ? わかった?」

急に子供をあやすかのような口調で宥められた。

「わ、わかってますよ。 ……この前みたいに酔ってないですし、大丈夫です」

「ハハッ、だね? じゃ おやすみ」

そう言ってドアを閉めた。

その背中が少しだけ小さく見えた。

私は、なぜ今こんなにも淋しいのだろうか。

心にポッカリと穴が開いた、そんな気がした。
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