三次元に、恋をした。
「もし仮に寂しくなったら、二次元で補います」

「……そうだった。 俺のライバルはそっちだった」

そう言ってわざとらしく落胆する姿に思わず笑いが出た。

「フ、フフッ…… 三次元では成瀬さんが一番ですよ?」

よしよし、と彼の頭を撫でるも彼はまだ少しご機嫌斜めで。

「じゃあ そろそろ下の名前で呼んでもいいんじゃない? 一番なんだろ?」

下から見上げるようにして私の顔を覗き込んでくる彼は、たまに悪魔を発揮する。
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