ガラスの心に気づいたなら 〜 1
その日の夜、わたしはあーたんを寝かしつけると、そっとホテルを出た。少しの間だけ。少しの間だけ、楽にさせて…

わたしは夜の風にあたりながら、行くあてもなくふらふらと歩いた。頭痛がひどくて吐き気もする。だけどあーたんが待っている。


もう、なんで…?


なんでわたしはこんな目に合わないといけないの?わたしは何をした?


本当はこのままどこか遠くに逃げたかった。誰も知らない土地に行って人生をやり直したかった。だけど…わたしには守らないといけない存在がいる。
わたしは道端で吐いた。


そしてその日は朝焼けまでホテルに帰らなかった。

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