信じることはとても愚かで美しい。

あの日と同じ目




「じゃあ、よろしく!」


麗に差し出された手。


恐る恐る手を伸ばすと、ギュッと握られて。


人の温かい体温を感じる。


緊張で冷えていた手が麗の体温と同じになるのに合わせて、心も温かくなった。


ふわっと思わず笑みをこぼすと。


「きゃーもう、可愛いっ!」


「わっ!」


握った手を引かれて抱きしめられた。


苦笑いして周りを見渡すと、竜が小刻みに震えてる。


ど、どうしたんだ…。


そう思っていると。


「お、おい…麗、俺には冷たいくせに…」


竜がいきなりいじけだした。


って、まさか…。


「れ、麗…」


「ん?」


「竜と付き合ってたりする…?」


そう問うと…。


「あーうん、一応、ね。」


あ、やっぱり。


てか、一応って…。


「一応ってなんだよ、一応って!」


竜が泣きそうになってるし。


どんだけお豆腐メンタルなんだよ!




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