俺様御曹司とナイショの社内恋愛
意識や記憶が明瞭になる前に、目が開いたけれど、まぶしさにまた閉じる。

「無理に起きなくていいよ。今日は土曜日だから」

酔いも眠気もだるさも、一気に吹き飛んだ。

その声は、白石 諒(シライシ リョウ)!

———そうだ、昨日は異動した、もといさせられたばかりの部署の飲み会で。

やさぐれ気味で飲みすぎて、したたか酔ってしまって、そのあとの記憶は・・・・ナイ・・・


見覚えのない部屋。
自分をのぞきこんでいる男。
素肌に触れるリネンの感触。

これは・・・この状況は、、ま、まさか———

「ひ・・っ・・いぁ・・やぁぁ・・」

郁の口から、世にも情けない声が出た。
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