君を愛した時間〜残した宝物
私は、心の頬におでこを着けた。
「…セラ…」
俺は、セラの手を強く握った。
「…ずっと…ずっと傍に居るからね…」
≪…セラ≫
俺は、セラの言葉に胸が締め付けられ苦しくなった。
セラの言葉は、まるで…まるで…永遠の…。
「当たり前だ!俺の恋人と嫁は、セラしかできないからなっ!」
心は、ニッコリ笑って言った。
「…心」
「愛してる…一生…セラだけを愛していくよ」
心の唇が私の唇に重なった。
≪……!?≫
俺達の重なった唇に、冷たい物が溶けるのを感じた。

目を開けセラを見た。
セラは優しい笑顔俺を見た。
「…今なに…か…」
「…空を見上げて」
俺は、空を見上げた。
≪……!!≫
「…雪だよ…」
俺は、セラを見た。
「…雪…」
「…初雪…心と見れて良かった…」
俺を見て言ったセラの髪の毛や肩に、雪が落ちセラの中へ消えていった。
「…この町にも雪が降るんだな…」
「…いつか…本当に心から愛している人と雪が見たかった…」
セラは、空から降ってくる雪を見ていった。
「…俺も見れて良かった…」
「えっ?」
「セラが大好きな雪を、こうして一緒に見れてよかった…」
「心…」
私は、心の肩に頭をのせた。
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