君を愛した時間〜残した宝物
私は何だか変な感じの気持ちのまま下に下りた。
居間に入ると、直君の姿があった。
「あれ!直君!?どうしたの?」
黒いシャツに、ジーンズを履いた直君が、正座をして真面目な顔をしながら、座っていた。
「こんばんは」
直君は、いつもと違う返事をした。
「こんばんは?…」
「セラ、そこに座りなさい…」
おじちゃんの隣に座っていた、おばちゃんが言った。

「はい…」
何だか皆、いつもと様子が違う…。
おじちゃんは、一つ咳払いをした。
「ゴホッ!」
突然、直君は正座をしたまま頭を下げ口を開いた。
「おじさん!おばさん!セラと…セラさんと結婚を前提にお付き合いをさせて下さい!」
《えっ…?》
私は、何が何だか…、おばちゃんは、口元に手を当て私を見ていた、おじちゃんは、腕を組んで目を閉じたまま無言だ。
「直君?何を変な冗談を…おじちゃんもおばちゃんも、ビックリしてるじゃない!」
私は、頭を下げたままの直君の肩を揺すった。
「冗談じゃない…冗談を言うつもりで来たんじゃない!俺は本気だ!この前俺、セラに伝えたろ!?」
「あっ…あれは…」
「セラ…」
「はい!?」
おじちゃんは、目を閉じたまま口を開いた。
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