君を愛した時間〜残した宝物
――今は右足に義足を付け私の第二の足となり共に生きている。
18年間共に歩いてきた右足首に、できた癌…足を切断するのは、とても辛い事だったけど、これで自分の体に有った癌が消えた…癌に勝ったと思えば、これでよかったと今は思う。

「セラ!店開けるぞ」
店のキッチンから出てきた、おじちゃんはクシャクシャな笑顔で言った。
「はーい!…おじちゃん、そのシャツ…ちょっと派手じゃない?」
私は、おじちゃんが着ている洋服に指差しながら言った。
「ん?そうか?海と言ったらアロハシャツ!と思って買ったんだが…」
おじちゃんはキッチンにある鏡に向って自分の姿を映して見ていた。
「まっ、良いか!海の家だし!」
私は鏡に映る、おじちゃんに言った。
「あぁー!このくらい派手な方が良いだろ!」
おじちゃんは、満足気に言った。
「んじゃー!開店ー!」

――この日、私は人生で一番大事な出会いをした…。
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