先生って言う名前の人

ひとみにそんなこと言えるはずもなくて、

梨花の恋を応援できるほど優しくもなくて、

ひとみに戻るね、と言って自分の席に戻った。


お昼休憩になって、3人で学食に行った。


「で、どうだったの?」

ひとみは興味津々に梨花に聞いている。

あたしは気になるけど聞きたくないみたいな、複雑な気持ちだった。

「うーん、、ちょっと困らせちゃったかも」

「どうゆうこと?」

「、、、キスしちゃった」

梨花の言葉に、思わず「え、、」と声が漏れてしまった。


「ええ!ほんとに!?
華がびっくりしちゃってるよ梨花」


あたしは2人に、いつも反応が薄いとよく言われる。

先生の話の時は反応しないように気をつけてたから。


でも学食を食べるお箸が止まるほどびっくりして、もうそれ以上なにも喉を通らなかった。


「、、ごめん、あたしちょっとトイレ」

「え?大丈夫?」

ひとみが一緒に行くよ、と言ってくれたけど、大丈夫と言ってひとりでその場を去った。

< 73 / 199 >

この作品をシェア

pagetop