天神の系譜の奇妙なオムニバス

鬼の副長

天神学園学食。

「モグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモ「ちょっとリュート君、聞いてますか?」

ひたすらに頬一杯に詰め込んだ飯を咀嚼するリュートの横で、古奈美は金切り声を上げていた。

「一番隊隊長・沖田 蒼次郎、二番隊隊長・永倉 甚八(ながくら じんぱち)、三番隊隊長・斎藤 肇(さいとう はじめ)、四番隊隊長・松平 忠治(まつだいら ちゅうじ)、五番隊隊長・武田 韓流斎(たけだ はんりゅうさい)、六番隊隊長・井上 源四郎(いのうえ げんしろう)、七番隊隊長・谷 四十郎(たに よんじゅうろう)、八番隊隊長・東郷 平助(とうごう へいすけ)、九番隊隊長・佐藤 三樹三郎(さとう みきさぶろう)、これに加えて副団長の土方 敏郎まで!自警団の全隊員が、リュート君を取り締まりに動きますよ!」

「あーはいはい、説明的台詞ありがとさん」

「真面目に聞いて下さい!」

爪楊枝でシーシーやるリュートを横目に、古奈美は額に手を当てた。

「もう、何て事してくれたんですか。自警団の隊長や隊員に手を出すなんて…天神学園でそんな事したら、まともな学園生活は送れませんよ?残る9人の隊長と団長副団長が、リュート君をずっと狙い続けますよ?」

< 131 / 770 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop