天神の系譜の奇妙なオムニバス
夏祭りで羽目を外し過ぎると血祭りに上げるぞ
「そこの貴方!」

建物の屋根の上。

わざわざ花火と満月を背に、逆光でポーズを決める1人の少女。

「子供達が金魚掬いをやりたがっているのに、ポイを大人買いして値の張る金魚を集中的に取ってしまうとは、大人の風上にも置けない極悪非道!」

少女の人差し指は、金魚掬いに陣取っているチンピラ風の男に向けられた。

「的屋協同組合が許しても、神の使いは許しません!」

「てっ、てめぇはどなた様だっ?」

ご丁寧に訊ねる男。

まるで台本通りのやり取りだ。

「訊かれて名乗るもおこがましいが、誰だと言うなら答えましょう」

少女は名乗りポーズを決めた。

「アクアク団は許しません!武装天使プリティープリンセス!」

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