天神の系譜の奇妙なオムニバス

リュート・グリフィノーは何処だ

試合開始から、1時間経過。

数百名いた試合参加者が、遂に二桁となった。

ここまで来ると、観客達もだいぶ選手の顔を覚えてくる。

目に見えて勝ち星を挙げる選手というのは、やはり印象に残るものだ。

「あの隠密強いな。忍刀と手裏剣両方を使うというのは強みだな」

「なんの、ヒノモト国民としては、あのお侍を推したい」

「だがティグル様は評判通りの強さだ。あの炎の剣の威力見ただろ?」

「弟のリュート様も負けてはおらんぞ。まこと龍の如き強さだ」

「お前らの目は節穴か、あの舶来の外套の男が一番に決まっておろう」

観客達の間で、次々に優勝予想が始まる。

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