【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
月の華



……その姿は美しかった。


表情は穏やかで、覚悟が決まっていた。


もう、誰にも止められないのだと皆が思った。


「…分かりました。最期まで、私たちもお供します」


十三人は傅いた。


美しき、姫に。


一人の幼き少女ような、悪戯っ子のような、


一国の妃のような、恋する乙女のような、


母のような暖かさをもつ姫。



「…そなたたちは、ほんに大馬鹿じゃ…」



愛しげな声。


そんな姫は、月虎、月龍、月兎、月狼を従えさえ、天に還った。


愛しき者と再び、来世で見えることを願って。


彼女は永遠に果てた。


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