【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「……お前、誰だ?」
童子は、クスクス笑うばかり。
「内緒。……でも、また、会えるもん。って、そんなことより、手遅れになるよ?」
空気が、違う。
笑い方が、違う。
この童子は……
「……っ」
風が吹いた。
強い風に目をつむり、次、開いたときには……
童子はいなくなっていて。
“手遅れになるよ?”
代わりに、この言葉が頭のなかで、警報のように鳴り響いていた。
メニュー