【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「え……」
女の子の白い手は、私の頬を滑る。
その手は、目を見開くほどに冷たくて。
「生きたいのなら、真実を見つめなさい」
綺麗な顔に見つめられ、心臓が跳ね上がった。
刹那。
「……あ、みーつけた」
フードを被った、青年一人。
「何百年、何千年……やっと、出逢えたね」
覗いた顔。
「待ってたんだよ?夕蘭」
見えた瞳には、欲情……
「ねぇ、何で、僕のことを振ったの?」
まとわりつくような声に、寒気が走る。