【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「……沙耶!」
誰なの。何なの。
『お前を、手に入れる……どんな手を、使っても、な』
頭のなかで木霊する、声。
(もう、やめ……)
誰かに、体を揺さぶられる。
聞こえないように、必死に耳を覆い隠していたのに……その両手も、彼に拘束され、私は顔をあげた。
「沙耶、何があった!?」
聞きなれた声。
見慣れた顔。
好きな温もり。
……視界が歪む。
「……っ、相馬……っ!」
縋りつく。
……好きな、人。