【完】☆真実の“愛”―君だけを―2


「……そうか、沙耶が……」


茶を飲みながら、事の顛末を飛鷹に説明すると、飛鷹は悲しそうに相槌を打った。


「生きる希望、か……」


俺らが守るべきだった、姫。


そんな姫と愛し合った、人間。


「……分からないな。どうして、俺らに関わる人間の誰か一人は、いつも必ず、不幸になるのか」


その生まれ変わりの飛鷹は、姫であった月姫が沙羅、紅鈴へと生まれ変わるのと同じように、月姫が愛した人間……燕鳳から、隆舜、燎飛へと生まれ変わっていた。


「それが、”姫“の宿命だからだ」


「なら、そもそも、”姫“とはなんなのか」


「……」


それは、うまく説明ができなかった。


昔からの言い伝え。


ずっと、語り継がれる“姫”の意味。


< 28 / 759 >

この作品をシェア

pagetop