【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
□真琴side■



私の幼馴染みは、素直ではない。


それは、認める。


けど……。


「……素直になってください。ってか、本性、見せれば良いじゃないですか」


目の前で、出ていった京子のことを思い出し笑いするこの人は、決して、優しいお兄ちゃんではない。


「だって、京子、可愛いじゃん」


「……はぁ、本当に昔から、性格の悪い」


「そんなこと、君が一番、知っているだろ?」


ニッコリと微笑み、肘をつくと、京子を守る為だけに多くの人間を騙してきた、柔らかな声が耳に届いた。


「京子は背負いすぎだからね。誰かが気づいたら、代わりに背負ってあげないと」


「その通りだけど、もっと分かりやすい守り方ってものがあるでしょう?伝わってませんよ、貴方の気持ち」


京子は見た目、家柄、色々なところで敵を作りやすい。


そんな敵からの攻撃が緩んでいるのは、紛れもなく、この人が、裏で手を回しているからだ。


「数年も東京から戻ってこなかったのって、また、裏で手を回していたんでしょう?不思議がってましたもん。敵対していた人が、いきなり消えたって」


どんな手を使っているのか、京子を追い詰めた人間はとことん、消されてきた。


「……そうだね。君の言う通り、バラした方が良いのかもしれない。でも、京子はそういうのを好きな性格じゃないし、もし、知ったあと、僕を頼ると思う?……逆に、全部一人で、背負い込んじゃうよ」


一番、京子のことをわかっている人。


京子の初恋の相手。


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