【完】☆真実の“愛”―君だけを―2



「ゲッ、時間がヤバイ……」


このままでは、2限にも遅れてしまう。


「柚香、私、先にいってる」


「えぇ……!?」


驚く柚香には申し訳ないが、本気で留年危機である。


階段をかけあがり、教室についたのは、休憩時間があと1分という、どうしようもない時間。


「次、数学かぁ……」


本気で、心のそこから要らないと思う内容。


やる意味を、私は毎回、考える。


(絶対、√とか使わんし……)


大体、どんな職業につくというのだろうか。


教室の扉を開ける。


一歩、踏み入れれば、見えた光景にうんざりとしつつも、私は席についた。


「はあ……教科書とか、全部、ないし」


置き勉していた教材がごっそりなく、気持ち悪さに、背筋が凍る。


置き勉は、やめておいた方がいいかもしれないと、苛められ始めて、私は初めて、実感する。


……まぁ、教科書があっても、なくても、寝るつもりだから、ノートは活躍しないのだが。


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