シンデレラLOVERS

「善雅、たまには付き合えって」



放課後になり日菜琉と帰るべく、待ち合わせしてる門の外へ向かおうとしたところで不意に呼び止められた。



友達に誘われたから一緒に帰れない……ってのは正当な理由だよな?

別に一緒に帰るのが面倒とか思ってるワケじゃないし、不可抗力だから仕方ない。


つーワケで、自分に都合の良い解釈完了。



さっそく日菜琉にメールを送る為に送信履歴から日菜琉のアドレスを呼び出した。


『クラスの奴に誘われたから今日は先帰って』


用件のみでまとめられたメール。

多分……普通のカップルの彼氏はこんな雑な文章打たないだろう。


だからと言って書き直すつもりもないので送信ボタンを押す。


だって、どうせ俺たちは賭けの為の一ヶ月限定のカップルだから。


それから一分も経たないうちに日菜琉からメールが返ってきた。


『わかった。気を付けて帰ってね』


特に不満を見せるワケでもなく、すんなりと了承された上に気遣いまでされた文面。


ドタキャンした俺に怒って嫌味を言ってんのか?
それとも……理解ある彼女ぶってるのか?


どっちにしても俺は興味ない。

仮にもし別れるなんて言ってきたら、サボリの証拠写真があるって言えば良いだけだし。


そのまま俺は携帯をポケットにしまい、友達と教室を後にした。



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