シンデレラLOVERS
手を繋いで見に来たイルミネーションは、前に見たときよりキラキラしてるように見えた。



それは、最初に来た時みたいな罪滅ぼしとかじゃなく、ちゃんと日菜琉の隣で日菜琉の彼氏として見てるから。



なんてらしくないことを思ってたら、



「なんだか……前の時よりキラキラしてるように見える」


「っ……」


隣で日菜琉がポツリと呟いたのが聞こえてビックリした。


日菜琉も同じことを思ってるのがわかって、恥ずかしいような嬉しいようなふわふわした気持ちになる。



その幸せを噛みしめるように、俺たちは何も言わずにイルミネーションを見つめていた。



この心地良い沈黙の雰囲気を、思いがけない日菜琉の言葉が破る。


「なんでわたしのこと、好きって言ってくれたの?」


「えっ?」


イルミネーションから視線を俺に移した日菜琉が、小さく笑って俺を見上げた。



「だってせっかく静葉さんとヨリが戻ったのに……」


呟いた日菜琉の目がかすかに揺れる。


最初は俺の気持ちが疑われてるのかって、落ち込みそうだったけど……多分違う。


揺れる日菜琉の瞳を見つめ返しながら、不安なんだって感じた。

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