好きだなんて言えません



「颯ね」


私がそれを了承すると嬉しそうに笑った




「日和から名前呼ばれるのなんか好き」



すっかりご機嫌なようで

鼻歌を歌っている





なにがいいんだか…

たかが呼び方ひとつで




一喜一憂して落ち着きのないやつだな、なんて思ってたら聞き馴染みのあるメロディが耳に滑り込んできた



〜〜♪



「それって…」



「あ、これねー◯△△の虹って歌」





私の好きな歌手…

こういうの聞くんだ

「知ってる。その人好き」




意外な共通点を見つけて少し頬が緩んだ





「あ、まじで?いいよなーこの人」


「そうだね」
















なんだか、距離を縮めてしまった


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