恋ぞつもりて、やがて愛に変わるまで。


「あれ、雅臣先輩自転車は……」

「ん? 俺はいつも歩きと電車だぞ」


……え?

だって、雅臣先輩が言ったんだ。

電車でバッタリ会った時、『いや、いつもは自転車なんだ。ほら、午後から雨が降るって天気予報で言ってたから』って。

今日は雨も降っていない、晴れてる。

放課後一緒に帰った時も、雅臣先輩は私と同じ駅で降りた。

ということは同じくらいの距離から、この高校に通ってるって事になる。

自転車で通うなんて、今思えば非現実的だ。

だって、ものすごい時間がかかるから。

でも朝会った雅臣先輩は、学校の最寄り駅のひとつ前の駅で降りた。

高校の最寄りでも何でもない駅で降りるなんて、学校に行く前に寄る場所があったとか?

それに、職員室で話していた景臣って誰?

わからない事ばかりで、頭痛がする。

──私の目の前にいる君は……何者なの?

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