好きの海に溺れそう
大好きな時間
~杏光~

3月になった。



3月はホワイトデーとあたしの誕生日がある。あとテストも…。



テスト、あたしはいつもまあまあの点とれるけど、海琉は大丈夫かな…。



海琉、真面目な割になぜかいっつも点数が悪い。



そこがまあかわいいけどさ…。



全教科一桁とか取らない限りは進級できるからそこはあんまり心配してないけど、赤点とると補習になるんだ。



だからその分海琉はバイトを詰めなきゃいけなくて、そうなるとあたしと遊ぶ時間が減ってしまう。



だから頑張ってほしい…。



でもあたしも教えられるほど頭よくないし。



あ!悠麗に頼めばいいんじゃ!?



そう思ってさっそく悠麗に聞いてみた。



「っていうわけなんだけど」

「無理」

「ん?」

「無理」



まさかの拒否…。なんでよ…。



「俺もテストの日程丸被りだから海琉に教えるほど時間ない」



なるほど…。



私も悠麗の勉強の時間削ってもらうのを強要するほど鬼じゃない。



悠麗が無理ってことは玖麗も無理だし…。



そもそも玖麗も海琉ほど勉強できなくないけどそんなに頭いいわけじゃないしな…。



うーん。



せめて一緒に勉強しよう。まあ毎回割と一緒に勉強してるけど…。



でも一緒にいる時間増えるしお互いの相乗効果で一石二鳥!



「海琉~テスト勉強してる?」

「してるよ~」



休日の朝、海琉の部屋に行って顔を出した。



海琉は机の上で教科書を広げてなにやら真剣な顔。



「あたしもここで一緒に勉強していい?」

「もちろん!そっちのほうが捗るかも」



ふへへ…。



海琉の部屋の小さいテーブルに持ってきた教材を並べた。



海琉が数学をやっている隣であたしは英語。
< 156 / 350 >

この作品をシェア

pagetop