好きの海に溺れそう
修学旅行と杏光のイライラ
~杏光~

高校最後のあたしの体育祭が終了した。



高校で残された大きな行事はそれが最後。



今年は、優勝も何もできなかったけど、楽しかったから大満足!



来年は海琉の彼女兼卒業生として見に行こう。



玖麗と悠麗もまた見に来てくれたんだけど、玖麗はまたしても『借り人競争』で借りられた。



それも、男の人に…。



だから悠麗がめちゃくちゃ嫉妬してたけど、正直見てるこっちとしては面白かった。



あたしの大きな行事は体育祭で終わっちゃったけど、海琉は今日から修学旅行。



海琉のいない学校までの道を1人でとぼとぼ歩く…。



学校も、2年生が全員いないから心なしかいつもより寂しげに見える。



「日夏~…」

「おー杏光、おはよ」



先に教室に着いていてサンドイッチを食べてる日夏にもたれかかった。



ツナのサンドイッチがいい匂い。



日夏が野菜ジュースを飲みながら英語の教科書を出してパラパラと開いた。



「今日の課題すごいめんどくさくなかった?」

「えっ? 今日あったっけ!?」

「忘れてたの? 杏光多分今日当たると思うよ…」



完全に忘れてた~…。



海琉もいないし課題は忘れるし…。



頑張って英語の授業までに課題を終わらせた。



「日夏、今日一緒に帰ろ」

「あ、ごめん! 歩と約束してる…」
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