好きの海に溺れそう
「それやばいね」

《海琉顔あけーぞ~》

《赤くないから…》



電話越しにあたしもニヤニヤしてしまう。



男子たちはどっか行ったみたいで、声が小さくなった。



「去年のメニューなんて覚えてないよ~」

《別に本気で去年のメニュー知りたかったわけじゃないし…》

「あたしのこと口に出したかっただけだよね~?」

《…》



こうやってからかうの、本当に楽しい。



好きだな~。



それからも散々海琉のことをからかった。



なんてやってたらあと1分で0時!



「海琉! もうすぐ0時だよ!」



《ん? あ、本当だ》



「5,4,3,2、…おめでとうー!!」



あたしがそう言った瞬間、電話の向こうからも《海琉おめでとー!》という声と共にクラッカーの音がした。



《えっ…? わ、えーっありがとう》



海琉がみんなに好かれてる!



自分のことみたいに嬉しくて心が高揚してる。



「海琉がみんなに祝われててあたしも嬉しい」



《なんかケーキもあるっぽいんだけど…》

「ケーキ!?」



ケーキはあたしが先にあげたかった…。



くっそー、先越された!!
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