きみが嘘をつくから。



「乃々香、また同じクラスだね!」

「ほんまよかったぁ!」

HRが終わってすぐ、愛梨と互いに近寄って抱き合った。


一人だったらどうしようと思ってたから本当によかった。



あと、春馬も同じクラスだったなぁ。


それも嬉しい要因の一つだったりする。



廊下に出たら他クラスの子が来て、何組だったと言い合いながらそれぞれの教室へと向かった。



4組の教室へ入り、黒板に書かれた席を確認していると、肩に誰かの手が置かれた。


私は咄嗟にそれが春馬だと思った。



「同じクラスだな。よかった。」

振り返ると少し恥ずかしそうに笑顔でそう言う大輝の姿が。



「うん、そうみたいだね。」

LINEでは少し話してたけど、会うのはあの日以来だ。


あの後家まで送ってくれたんだよね。



抱きしめられた事とか思い出して、少し恥ずかしくなってきた。



少し遅れて春馬も教室へ入ってきて、私は愛梨の袖を引き、書かれていた自分の席に座った。


春馬の席は私の斜め後ろだった。



何時もだったらクラスが一緒って分かった時に、話し掛けてたのかなぁなんて。


でも別に、いつも一緒にいたり話したりしてた訳じゃないし、変に思われたりしないよね。




…やっぱり、話したいな。



「春馬。」


春馬が席を確認して私の隣を通った時、思わず手を伸ばして袖を引いていた。


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